今日は行政視察の2日目大垣市から大阪府の門真市へ

宮本門真市長は

『こどもを真ん中に地域みんながつながる健康で幸せな地域共生の「まち」』

を掲げている。

地域的にはパナソニックやタイガー魔法瓶などの大手企業の本社工場が

あり、昔から工場労働者の多い地域で子どもの相対的貧困率が高い

平成26年からこどもの貧困対策事業として大阪府と一緒にこども未来ネットワーク事業

を始め企業、学校、PTAと子どもを真ん中においたネットワークを組んで

貧困状態にある子どもたちを支援してきた。

貧困の状態にある家庭では、親は相談できないことが多いため、アウトリーチ支援

をすることでまずは保護者へアプローチをし、こどもを支援するために

「子どもの未来応援団」を作った。

市民(高齢者が中心)1600人が登録してくれ、支援が必要なこどもやその保護者を

早期発見、早期支援に努めている。

そこであがった気になるこどもたちを元教員の「子どもの未来応援推進委員」の皆さんで

構成された「子どもの未来応援チーム」が様々な情報を把握し、

ケース会議で検討しアウトリーチ支援を行っている。

成果として、

・地域で子どもの見守りに対する機運が醸成されたことにより学校では気づかない

 子どものシグナル発見につながった。

・推進委員が元教員のため学校とのスムーズな情報共有体制を構築できた

・専門チームが出来たことによりアウトリーチ支援などが機動的に対応できるようになった。

子どもの未来応援団からどのように活動したらよいのか、

どこで子どもたちを見守ったらよいのかの課題が出され、

子どもの居場所等と連携して子ども食堂や宿題カフェ(ドラッグストアー、パン屋、銀行などで開催)

を地域の見守り拠点として活動している。

そんな中、子どもたちから毎日遊びに行ける場所が欲しいとの要望があり

常設の子どもの居場所「子どもLOBBY]を開設した。

そこは様々な企業と連携協力して門真市はお金をかけずにショッピングセンターの

3階に開設することができた。

「子どもLOBBY」では

1,子どもの非認知能力向上プログラムの実施

2,世代間交流、相談支援の場としての活用

3,キャリア教育イベントの実施(毎週開催)

4,不登校児童支援

を行っている。特にキャリア教育には力を入れていて現在66の企業が登録して

くれ、各企業の本物の仕事を子どもたちが体験している。

企業からは、社員のモチベーションアップにつながったとか、保護者からは、こどもたちが

楽しそうに体験していて将来この職業に就きたいなどとの感想が上がている。

市南部にも欲しいということで銀行の会議室に週2回こちらもお金をかけず様々な企業に

協力してもらい開設することができた。

コロナ禍でなかなか居場所が開催できなかった時期に、ひとり親家庭の生活環境が厳しいという

話があり、食料品配布と子どもの状況把握や相談支援を実施する「Kado Eats」を行った。

60世帯の募集に対して約300世帯の申し込みがあり抽選から漏れた家庭に対しては、

フードロス削減を行っているNPO法人が食料支援などを行っている。

また、

ダイドードリンコと事業連携協定を結び自販機「情報発信ベンダー」を市内72か所に設置し、

売り上げの一部を子どもの貧困対策事業に毎月寄付してもらっている。年間約150万円

門真市では市民も巻き込んでみんなで子どもたちを見守り支援していこうという

機運が高まっており、行政だけでは見えないところ、やりきれないところまで支援の手が

届いていることがすばらしいと感じた。

こども政策課の課長、課長補佐のお二人のフットワークの良さ、大変な子どもたちを

救いたいという信念の強さを感じた。連携したい企業にも飛び込みでお願いに行くとの

ことであったが、お二人の本気度の高い説明を聞いたら協力しないわけにいかなくなる

のではと感じるとともに、企業にとっても連携協力することで多くのメリットが出てきている

ことが証明されているので参加しやすいのではと感じた。

教育委員会の不登校支援事業と子ども貧困対策事業とさまざまあるが、

子どもにとって選択肢がたくさんあることはよいことであり、

自分にあった居場所を見つけ、自分にあった相談者や支援者と出会えればいいなあと感じる。

いずれにしても長野市でもまだまだ出来ることやらなくてはならないことがあることを

改めて感じた。

門真市のように多くのプレイヤーと連携しながら

こどもたちが生まれ育った環境によって

子どもの将来が閉ざされることのないように私も力を尽くしていきたいと強く思った。