長野市災害ボランティア委員会の運営委員として能登半島地震被災地に
伺わせていただきました。
2月10日の夜に出発して11日の早朝に穴水市を通り珠洲市に入りました。
珠洲市に一番近い七尾城山まで行くには
通行許可証もネクスコ中日本の道と県管理の道があるため片道2枚必要です。
途中の道では横殴りの雨や雪で被災地はどんなだろうかと心配しましたが、
雨はやみ穏やかな朝となりました。
珠洲市の市役所の駐車場で仮眠をとって動き始めたところに
珠洲市の泉谷市長さんとばったりお会いしお話を聞かせていただけることに
市長さんの自宅も地震の被害に遭われたこと
全壊の住宅が4割を占めること
3町6村が合併してできた市でそれぞれに地域性があること
地域の結びつきが強い地域とそうでない地域があり
それぞれの意識が違うため被災者のニーズも異なること
「復旧に2年、復興に10年くらいかかると思う。これからも息の長い支援をお願いしたい。」
と話してくださいました。
その後近くの状況を確認し、
大変な状況の中でもお雛様を飾られているお宅があり見入っていると
お家の方が出てこられ、
「ずっと泣いていたけれどもこれを出したらちょっと癒されている。近くに洗濯できる場所も
できて少し気持ちが落ち着いてきた。」
などと話されました。ここでお会いした方々は皆沢山お話をしてくださり誰かに話を聞いて
欲しいという気持ちを強く感じました。
次に正院小学校避難所に移動しました。
避難所では水が出ないため仮設トイレを使用していて給水車も来ていました。
支援物資は、今はお米や水、カイロは余っていて
お菓子やコーヒーなど嗜好品が喜ばれているとのこと
体育館の半分が物資置き場、半分が子どもたちが体育などをする場所となっていました。
この避難所は当番制で住人の皆さんで食事作りをしているとのこと
炊き出しは、昼食はほぼ毎日、夕食は2日に1回程度入っていました。
仮設住宅もグラウンドに出来始めこれから引っ越し作業が本格化するようでした。
次に能登町役場内浦総合支所へ移動しました。
能登町役場内浦総合支所の中には長野県社会福祉協議会の災害ボランティアセンターの本部があり、
長野から預かっていったこどものおむつやおしりふき、育児用品などを
女性サポート支援団体を通じて七尾の産婦人科の先生にお渡しいただきました。
また、長野市災害ボランティア委員会のねこはんてんプロジェクトの皆さんが制作した
ねこはんてんをお渡しするために小木中学校避難所に案内していただきました。
途中災害ごみ置き場があり、この辺は地震被害よりも津波の被害が大きかった様子が伺えました。
小木中学校避難所では丁度昼食のタイミングだったため配食している横でねこはんてんを
お渡ししていると多くの住民の皆さんが興味を持って下さり
「このはんてん暖かいんだよね。着ていても動きやすいからいいね。」とか
一緒にお渡しした毛糸の帽子や靴下カバーなどを手に取り
「暖かそう。ありがとう!」
といって持っていかれました。
お渡しした直後に震度4の地震が起き、住人の皆さんも不安な様子でした。
中には大変怖がっていらっしゃる方もいらして心のケアの必要性を感じました。
外で昼食の準備をしているといろいろな方が優しい声をかけてくださり
こころが暖かくなりました。
能登町役場では大森町長さんにお会いすることができ、
「支援に来ていただきありがとうございます。これからも支援をお願いしたい。」
とのお言葉をいただきました。
同じ敷地内に能登町ボランティアセンターがあり、そこには長野県社会福祉協議会の
災害ボランティアセンターサテライトオフィスが設置されていて丁度ボランティアさんが
帰ってきているところでした。
能登町は2町1村が合併しでできた町で平均して金沢から来るボランティアバスで20人くらい
地元の町民が10人くらいボランティアに来ているとのこと。
「家屋調査が進み赤紙の貼ってある危険家屋には入れないため外のブロックなどの片づけをしている。」
「ボランティアのニーズはこれから増えてくると思う。ゴミ出しやブロック塀の片づけなど
被災者さんから上がってきたニーズを調査して派遣している。まだまだ時間がかかる。」
「町内に宿泊施設がないため金沢からボランティアさんが通わなくてはならず
時間がかかってしまうことが課題。」と話されていました。
この後宿泊先のこぶしさんに移動しました。
北陸の天気は変わりやすいのですが今日は穏やかな海です。
こちらは津波と地震の影響で壊滅している家が複数ありました。
こぶしさんの周りも土砂崩れがあり地震の影響で瓦が落ちている家や傾いている家などがあり、
集落の皆さんは高齢化しているためこぶしさんに自主避難していらっしゃいました。
皆さんで協力しながら食事をつくったりごみの片づけをしたりと支えあいながら生活している
様子を拝見しました。
長野から持参したおやきやリンゴ、毛糸の帽子、毛糸の靴下カバー、お掃除セットなど
大変喜んでいただきました。経営者の多田さんは「地域の皆さんにお世話になりながら
暮らしていたのでご恩返しのつもりで支援している」と、
そして私たちのような外から来たものにも親切にしてくださり大変お世話になりました。
前の日までは晴れていたのに今朝は雪景色まだまだ寒い北陸の冬です。
帰りに穴水を通って帰路につきましたがどこも大変な状況でまだまだこれから
支援が必要だと強く感じました。
これから何が出来るか出来ることを精一杯やっていきたいと思っています。